古民家再生現場 追い込み中

長野 古民家再生現場 Blog

信州も梅雨が明け夏本番です

今日は風鈴を出しました
エアコンの無い古民家事務所。
せめて耳から涼を感じましょう

さて、昨年よりやっております長野市の古民家再生現場
本来なら今年の春くらいには終わる予定でしたけども、私共の海野宿関係の工事が2件、年度末に重なってしまい工期が延びてしまっております。
お施主さんには多大なご迷惑をお掛けしながら工事を続けさせてもらっているところです。


外観はまだこのような状態。

土壁の無い部分(白い養生シート部分)にはこれから断熱材を施工し、その後、全体に通気胴縁と通気水切り(上下)をつけて、縦板張り仕上げにします。

先日、エアコンの先行配管をしてもらいました。


南側に位置する居間(天井高 凡そ3400㎜)に設置するエアコンから、台所の天井(天井高2200㎜)の上を通って北側へ。


屋根裏部屋に設置するエアコンから、1階水回りの天井裏を通って北側へ。

外壁の仕様上、エアコンの配管を隠蔽にできると現場で提言があり
外壁仕上げは板壁ですし、何かあっても板壁なら大工仕事で対応できると思い、
お施主さんとも相談して見栄え的に隠蔽配管に決めました。

もちろん、ドレン管は断熱仕様です。さもないと壁内や天井裏などで結露して大変な事になりますからね。


北側外壁 エアコン用配管(左は居間用、右は屋根裏部屋用)

 


配管用コア抜き

エアコンを取りつける壁は土壁なのでそのままでは取り付けられません。
なので大工さんに無垢板で下地を作っておいてもらいました。


コア抜きの残骸

流石です
ちょっとした配慮がなされている事、この画像から分かりますか?

 

さて現場では相変わらず
ここどーする!
と質問攻めな日々

制振ダンパーの取りついている壁にレンジフードを設置することにしてあったのですが、防火用の下地の事を考えるのを忘れておりまして、

現場から、
レンジフードの背面に梁があるけれど、このまま真壁でレンジフード付けていいのか?
との質問。

いえ、いけません
じゃ、どーする。

レンジフードの背面には防火用ボードを張って欲しい。
けれど、
真壁納めにするなら、梁はどーするんだ?!
となる。

 

現場では、梁を削るか?と提案もありましたが、
それは耐震上、ダンパー上、駄目!

じゃ、どーする。大壁にするのか?
いや、しない。
じゃ、どーする。

というやり取りのオンパレード(笑)

一応、私なりに解決策の提案をしたのですが(レンジフードと取付部分だけ大壁)
そうすると見切りが必要になったり、レンジフード下部のタイル貼りの納まりにも影響が出る。

さて、どうする。

ということで、見切り部分の納めだけが未だ課題検討中となっております

インスタでも呟いております↓

こちらは対面式キッチンの手前、カウンターになるところです↓


既存差鴨居より左側は居間、右側は台所。

既存差鴨居が、プラン的に微妙な位置に掛っていたので、ここをカウンターにすることで居間にも台所にもしないゾーンに。

そのため、天井が複雑になりました
お陰で、断熱材の納めもちょっと複雑(断熱材は基本的には連続になるよう納めるもの)

図解してみましたが、、、分かりにくいですよね
そう、分かりにくいんです。
ので、うっかり断熱材を拾い忘れたりする部分です
(私が拾い忘れた張本人デス

断熱材は乾式のセルローズファイバーを入れますが
セルローズが吹きこめないようなところは各種断熱材を使います。
(高性能硬質ウレタンフォーム、羊毛、炭化コルク等)

さて、そんなことでガタガタと現場では「どーする」攻撃を受けておりますが、
取りあえず只今、断熱施工待ち(いつもの断熱屋さん
複雑な現場工程なため、部分的にブローイングしてもらう予定です。

このとおり、なんだかんだと私の古民家再生現場は工期が長いのですけども、
コロナ禍中に始まったこの現場は

ウッドショック

更にウクライナ危機を受け

資材高騰

建材メーカーの値上げラッシュ

という荒波の中、

これらの影響を受けたり、受けずに済んだ部分もあったりしながら、どうにかこうにか頑張っています

ウッドショックについては、影響はあったにはあったのですが、
一周回ってこのところ、材木価格は落ち着いてきて助かった~という感じ。
とはいえ、材種によっては相変わらず入手困難な材料もあり、
代替品を考えるのが毎度、頭の痛いところです。

 

ただ、建材製品は軒並み値上げでどうにもなりませんですね。
設計で選んでいた建材や設備品が、この工事の間に何度も値上げされ、先に購入しておくという手もあるものの
そこは古民家再生なので、既製品と相性が悪く、大工工事が終わらないとオーダーを確定できないものもあり、ストックしておくわけにもいきません。

メーカーさんの中には値上げの口実といいますか、品番シリーズ毎、廃番にして一新するメーカーもあり、ここ2年の間で3回の値上げ、というメーカーもあります。

品番と価格が安定しないということは、こちらも都度、余計な労力(確認作業、納まり再検討等)を割かなければならず、事務所では悲鳴を上げながら一人頑張っております

インスタ見れる方はこちら↓

 

さて、次々と値上げが決行される中、私の現場では、まだ大工工事が終わって無いという状況ではあるのですけども

設備機器関係を本決めして(←これは私の仕事)
注文の段取りに入りました(←こちらは旦那の仕事)

私達のこんなに長丁場の工程でも、見積時のまま値上げせずにやって下さる有難い職人さんもいて感謝しかありません!

一方製造メーカーはそんな義理人情はなく、淡々と値上げしてあとは知らんという感じですが
取引先の営業マンに救われたり(救われなかったり)、いろいろです。

こんな調子だと我々はお盆もままならない感じになりそうですが、とにかくこの現場を形にするまで頑張るしかありません

暫く追い込みが続く見込みですので
関係者の皆様、どうか宜しくお願い致します。

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